JB470'98 ダブルデッカー仕様 (by ブーメラン)
改 造 経 緯
キャンピングカーにとって「貨物積載場所の確保」は永遠の課題と言えますが、キャブコン最小クラス(車長4.7m×車幅1.89m×車高2.85m)の我が愛車[98年式JB470](JB470’98)はキャビンスペースが絶対的に狭いだけに、この問題は一層深刻&切実です。
下記のカタログにも示すように、JB470’98は「広いキャビンと多彩なレイアウト」が売りの一つですが、居住空間を広くするために基本装備品は「シンク&給水システムだけ」です。「出撃目的に応じて必要なもののみを持って行く」「究極のメンテナンスフリー(無いものは壊れようが無い)」というのコンセプトが気にいって購入し、最初のうちは「お湯が沸かせるだけの最低装備(カセット卓上コンロ+ヤカン&コッフェル)」だけで彼方此方出かけておりました。それでも普通乗用車での旅行(コンビニ食&モーテル宿泊)に比べれば雲泥の差。ことさら不便は感じず、快適な居住空間と多彩なレイアウトを堪能していました。


多彩なキャビンレイアウトで使える、98年式JB470
しかし次第と快適性や利便性を求めて「カセットコンロ(2種)、ヤカン、鍋、炊飯器、ガスパワーユニット、サーマルクッカー、電子レンジ、電気オーブン、3way冷蔵庫、発電機(2台)、10L燃料タンク、20L軽油タンク、インバータ、ポータブルトイレ、等々」装備品が増え、キャビン内は次第と手狭となってきました。(こうなると最初からこれらが基本装備された車の方が使いやすいのかもしれませんネ。)
「リア・ヒッチメンバー&ヒッチラックを設けてキャビン外積載能力を持たせる」一方、キャビン内のスペースを有効活用すべく「搭載品の装備場所を変えたり」「ラックや棚を作り直したり」試行錯誤してみましたが「限られたキャビンスペースに」「快適な居住性を損なわないで」「使い勝手良く」「かつ効率的に」装備品を搭載するのは相矛盾する要求を含んでおり、これらを全て満足するのは結構難しく「これだ!」という解決策には至っておりませんでした。
『バンクベッドは狭くて息が詰まりそう。上がり降りには“軽業師的身のこなし”必要ネ。下で寝たいヮ』との仰せで妻はキャビンをベッド展開して寝るようになり、やがて常時ベッド展開したままで、折畳式卓袱台などを持ち込んで食事をするようなりました。これを「お座敷形態」と呼んでいますが、「座ったり、ゴロ寝したり、卓袱台で食事したり等、日常の生活スタイルのままでで寛げる」など結構具合が良い。しかも「お座敷下が全て貨物収納庫として使える」という思わぬメリットもがあります。
お座敷形態 お食事形態
しかし、「お座敷形態」は「クッションが柔らかすぎて歩き難い」「クッションの隙間に足を踏み込んで転倒しそうになる」など立ち振る舞いが不便です。また「対面座席やクッションを汚すと後始末が大変なことになる」「凛(柴♀)の粗相に常時ビクビク」等々の問題もあり、ビニールシートなどを絶えず敷いておく必要がありますが、これではゴワゴワして、布製の座席やクッションの快適性は味わえず、また見栄えも悪い。
ある日某誌を見ていた妻曰『あら!畳仕様のキャンピングカーってあるのネ!これだと動き易そうネ!』。
この一言が契機となり「安全に立ち振る舞いができ、且つ、飛躍的に収容スペースを増やす」思い切った大改造に踏み切りました。
「対面差席やクッションを撤去し、キャビンフロアほぼ全面に渡って二重床構造とし、床下スペースを全て貨物庫とする」という目論見です。
題して【JB470’98 ダブルデッカー仕様】 その概要を下記にご紹介致します。
基 本 要 求 事 項
ダブルデッカーに改造するに当り、要求事項を条書きにすると、概略下記のようになります。
@ 車検対応として容易に復旧可能な構造とすること。
A 極力軽量で充分な強度を有する床構造とすること。
B 車の動揺(バウンド等)に耐える構造とすること。
C 天井に干渉せす立振舞いできる床高とすること。
D 極力広い「床下収納スーペース」を確保すること。
E 床下収納スペースに容易にアクセスできること。
F キャビン内を容易に清掃できること。
G 極力市販部品を使って安価&見栄え良く仕上げること。
2ヶ月程、ホームセンターを徘徊して各種部材を物色しつつ改造構想を練りました。上記を満足する構造や部材については比較的簡単に纏まったのですが、最後まで悩んだのは「床表面を何にするか?」でした。
「畳仕様」: 近所の畳屋さんに相談したところ「特注の畳は超高価」の由。また床下にアクセスする都度の「取り外し/敷き直し」作業にはやや重過ぎます。更に、汚したり凛が引っ掻いたりする都度新品と交換せざるを得ません。総合的に不適と判断しました。
「マットレス敷」: 適度の硬さを持たすには「低反発マットレス」が望ましいが高価です。布張りとするには手間が掛かります。しかも汚れると後始末が大変です。で、これも、没。
その他の部材についても種々トレードオフした結果「コンパネ上面にクッション・フロア材を張る」という最もシンプルな案が、最も融通性があるとの結論に達しました。
上記の検討の結果、下記のような基本構想が纏まりました。
● 鉄製Cチャネル4本で床桁を組み、車体にボルト・ナットで固定する。所要の箇所を鉄製Lチャネルで補強する。
● 120cm×190cmの床面積を6分割してコンパネで覆う。 コンパネの表面にはクッション・フロア材を貼る。
● 床桁と床板はベルクロテープで固定する。 床板にはテープを付けて引き外しやすくする。
改 修 概 要
1.対面座席&マットレス取外し
対面座席とマットレスをを撤去します。JB470’98本来の床は布製カーペット張りですが、私のJB470’98は床をクッションフロアに張り替えてあります。かって「おでんの汁」をカーペットに吸わせてしまったのが原因で張り替えたのですが、掃除がし易く、多少汚れたものでも気にせずに積めるので便利です。対面座席を固定するボルト(5本)穴はのうち内側の3本は車外に通じており、そのままでは車が巻上げる水や泥が侵入してきますので取外したボルトを再度取付けて穴を塞ぎます。
前 後


対面座席及びマットレスを全て撤去した状態
2.床桁取付け
鉄製のLチャネルを全方隔壁に沿って横に渡し、左前方を金属性の「ゆかつか」で支えます。その他の部分はキャビン構造をそのまま使って支持できます。「ゆかつか」の高さを調整し、隔壁とLチャネルの間に挟み、ドリルでビス穴を開け、Lチャネルと共に隔壁にビスで固定します。次に4本のCチャネルを渡し、各部をボルト&ナットで固定します。床面積は190cm×118cmとなり、左後部のエアコン&熱交換器収納部分を除く部分全体を床下収納スペースとして利用できます。


前後方向に180cm×4cm×3cmのCチャネル4本を渡します
3.床板のトリミング
床下収納物へのアクセスを良くするため、床板は「60cm×59cm」4枚と「70cm×59cm」2枚の6分割としました。厚さの異なるコンパネ何種類かで強度を試してみた結果、あまり撓まず重さも適当な板厚は15mmとするのが良いとの結論に達しました。敷いてみると前方右舷側が干渉します。これは床板を切り間違えたのではなく、キャビンの方が多少歪んでいるためです。ノコギリとカンナを使って「現場合わせ」でトリミングし、極力隙間無く張れるよう加工します。


床板を試敷きしてトリミングします
4.床板を受ける梁材の追加
前述の如く、厚さ15mmの床板の端に乗ると数ミリ撓みます。蹴躓く程の撓みではありませんが、床板が撓むのは心理的にもあまり宜しくありません。そこでLチャネルを横に渡して床板の端を受ける梁を追加しました。この梁は必要に応じて床下を区切る壁板の固定にも使えそうです。


床板の端を支える梁を取り付けます
5.床板仕上げ
床板表面には「クッション・フロア材」を「模様が繋がるよう」カットして両面テープで張付けます。裏側には車の動揺で外れないようベルクロテープを貼付けると共に剥がれないよう釘で四隅を固定します。また床板を取外しやすくするため布製テープを取り付けます。
6.保冷・保温庫作成
通路部分のエアコン噴出口を囲うようして、保冷・保温庫を作ります。この方法は「お座敷形態」の時から使っていたのですが、結構重宝します。


床板裏にベルクロテープと紐を取付け 保冷・保温収納庫
7.床板を載せて完成
床板を載せ、Cチャネルの側面に化粧板を取り付けて完成! 化粧板は最初はクッション・フロア材を張ることも考えましたが、一番破損し易い(凛に齧られる?)部品ですので、簡単に交換することを想定し、「杉板に透明ニス塗り」として様子をみることにしました。




クッションフロア貼の床板6枚を敷いて、完成 入口部分のCチャネル側面を化粧板で隠します
改 修 所 感
市街路を少し試走して、車の動揺で床板の外れたりしないかテストしてましたが、床板はベルクロテープで確り固定され、具合がよさそうです。
クッション・フロア貼床板としたことで、多彩なスタイルで使えそうです。
☆ 「そのまま使えば、洋間風」「システム畳又は茣蓙を敷けば、和風」と、気分に合わせて変えることができます。
☆ 「座布団」「座椅子」「卓袱台」を置いて座ったりゴロ寝するもよし。キャンプ用の椅子やテーブルを使うもよし。
☆ 就寝時には「家庭用敷布団やマットレス」「キャンプ用マットレス」「エアベッド」などなど、お好みのものが使えます。
しかしまあ、カタログの「華麗なキャビン」に比べ、なんとまあ「無骨」に、変り果てたことか・・・・ ^^;
妻曰、 『この車、もう、絶対、買い取り手、無いわよネ〜・・・』
余 談
完成した2重床構造を眺めていて「キャンピングカーとは全く異なる車種」として使えることに気が付きました。
キャビン入口、左右の窓、運転席と助手席ドアを通るサイズの物なら何でも、もキャビンに搭載して風雨に晒すことなく何でも運べますし、床部分を防水シート等で覆ってやれば、土砂・木材でも運べます。
題して【総FRP幌付トラック仕様】。 これって、デリカトラックへの先祖帰り・・・?